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シリーズ77巻として発刊されたその研修ノートは、およそ補完代替医療(現代医療を補完もしくは代替できうる可能性のある医療)で、その有効性が世界的に立証されているものがすべて網羅されている。
補完代替医療の概論から始まって、漢方療法、ハーブ療法、アロマセラピー、鍼灸、ヨガ、温泉療法などなど。とりわけ、アンチエイジング診療でも今積極的に導入が進むサプリメンテーションについても、漢方療法に続いてハーブ療法の中でページをさいて掲載、解説される。
婦人科領域で活用され、EBMが確立されてきた大豆イソフラボン、ブラックコーホッシュやピクノジェノールなどが紹介されているが、それぞれ有効成分、効能、適応、副作用(禁忌情報)、妊娠・授乳中の安全性などが掲載されている。
読みようによっては、医薬品とほぼ同等の分類をしているから驚きである。
例えばピクノジェノールの項目では、【概要】フランス海岸松樹皮の抽出物で世界各国で広く使われ、米国では食品の安全性認定であるGRAS基準を取得し、臨床試験も多い【有効成分】プロアントシアニジン【効能】抗酸化作用、抗炎症作用、末梢血管拡張作用、皮膚に対する紫外線損傷の防止作用など【適応】歯肉出血、子宮内膜症、月経困難症、老人の脳血流生涯の改善、糖尿病性網膜症(欧州で医薬品として認可)、ADHDなど【副作用】胃痛や湿疹など軽微なものがみられる程度
といった具合だ、
いずれにしても、補完代替医療が、今回の医学研修に採用された婦人科領域が起爆剤となって、他の専門医研修に採用されていく可能性は決して否定できない。
アンチエイジング医療と共に、こうした新たな医療、診療が現代医療の中に確かに浸透していく流れはもう止められない。
(*鈴木教授が指導、提携する病院の「補完代替外来」開設の動きについて、次号で紹介する予定です)
(JHM 第71号より)