メタボ特定健診、混乱続く②
[ 2008/1/26 ]
先日、日本人間ドック学会では人間ドック事後指導のためのガイドラインをまとめた。その中で、要治療として、受診勧奨とされる検査値を定めているが、メタボリックシンドロームの診断基準の項目で言うと中性脂肪400mg/dl(150)、HDL29 mg/dl以下(40)、収縮期血圧160mmHg(130)、拡張期血圧100(85)、空腹時血糖140 mg/dl(110)としている。( )内がメタボリックシンドロームの診断基準だが、全て、これより緩い値となっている。
メタボリックシンドロームの診断基準はもともと受診を進めるべきものではなく、一概に緩いという比較はできないが、専門家の中には、メタボ健診とともに、診断基準の該当者に受診を薦める例が増えることを危惧する声が多いことも事実だ。人間ドック学会のガイドラインは、このメタボリックシンドロームのあいまいな点に警鐘を鳴らしたものと言える。
つまり、医療関係者がメタボ健診で潤うのは、健康診断と保健指導を健康保険組合から委託された場合のみであることが明確になったといえる。
(JHM 第70号より)