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医薬業界のみ流通=サプリをしっかりと評価できるから

[ 2007/8/6 ]

栄養学的なアプローチが必要

 

しっかりとしたサプリメント文化の創造を

 

渡辺オイスター研究所 代表取締役社長 渡辺 貢氏

 

食の安全性について、食品メーカーのモラルが問いただされている昨今、健康食品・サプリメントも安全性が重要視されている。これまで食に対しての安全性神話が確立していたが、崩れつつある。使用・飲用する側が明確な判断をもち、選択する時代になりつつあるのである。

 そのような時代背景の中、臨床データに重きを置き、安全性と機能性を追及してきた渡辺オイスター研究所。代表取締役社長 渡辺 貢氏に健康食品・サプリメントの臨床データの重要性を伺ってみた。

 「当社のカキ肉エキス錠である“ワタナベ活性型オイスター”(以下、オイスター)は医薬業界にのみ流通しています。今後も流通形態は変えません」という。何故医薬業界のみなのかというと、「サプリメント・健康食品を、臨床データを見て過大評価するでもなく、過小評価することのない判断をできる方に使用して頂きたいのです。それが出来るのは医薬業界の方です。」という理由からだ。

 同社ではどのような臨床データを取得しているのかというと「まずは安全性です。ヒト長期摂取試験としまして、12年間で520例にオイスター摂取を行ないましたが副作用はありませんでした。さらにはオイスターがいかに安全であるかを確認するために通常量・3倍量・5倍量で1ヶ月試験も行ないましたが、こちらも全く問題はありませんでした。」

 他社では例を見ない長期摂取試験・多量摂取試験などの確固たる安全性を下地とし、機能性についても多くの臨床データを様々な学会等で報告している。

 「これら臨床データは北京大学病院と16年にもわたる学術交流があるからです。北海道大学病院検査部とも8年の学術交流があります。」と、16年も前からエビデンスを重要視していたという。

「近年の国民健康・栄養調査ではミネラル不足が明らかとなっており、特に鉄・亜鉛・銅は所要量を下回っています。特に、カロリー制限のある糖尿病食の微量元素含有量は栄養所要量の5060%しかありません。また血糖値が高いほど微量元素の尿中排泄が多量になるため、糖尿病患者の血清中微量元素値は有意に低下しています。脂肪細胞において亜鉛・セレンはインスリンレセプターや糖輸送体蛋白(GLUT)へ作用し、グルコースの取り込みが促進されます。また、亜鉛・セレン・クロムを与えると血糖値が下がることは確認されています。そこで、微量元素が豊富な牡蠣エキスでサプリメントの本来の意味である“補う”ことに着目しました。また、糖尿病患者は活性酸素の発生量も多いため、オイスターが活性酸素をどのくらい除去できるのかも調べました。オイスターの亜鉛・セレン補給効果の研究では、オイスター12/日(4週間)を与えたところ、亜鉛は78.4μg/dl88.6μg/dlに、セレンは13.3μg/dl15.1μg/dlと有意に上昇しました。2型糖尿病における高血糖の問題点として、高血糖状態が続くとメーラード反応により活性酸素が多量に発生することがあります。過剰な活性酸素は、血管障害などを引き起こし、合併症を誘発させます。糖尿病経口薬(SU剤)を服用しているが効果が良好でない2型糖尿病患者をプラセボ摂取群 (n=1512/)とオイスター摂取群(n=1512/)に分け、オイスターの抗酸化作用を調べるために8-OHdG生成速度の変化を見ました。8-OHdG(8−ヒドロキシ−デオキシグアノシン)は、DNA酸化損傷マーカーであり、生体内の酸化ストレスを鋭敏に反映するバイオマーカーです。結果として、プラセボ摂取群では、1ヶ月で有意な変化がはありませんでしたが、オイスター摂取群では、8.23ng/kg/hから6.19ng/kg/hと有意な減少が起こり、オイスターの抗酸化作用が示されました。」

 臨床データはもちろんこれだけではなく、「最近発表した臨床データでは、食後血糖値が下がったというものがあります。これまでは空腹時血糖が糖尿病の所謂指標でしたが、近年では食後血糖が動脈硬化の促進因子という考え方に変化しつつあります。食後高血糖の病態生理は、門脈に流入したブドウ糖を肝臓が十分に取り込むことができない状態です。糖尿病で肝が酸化ストレスの状態にあるとインスリン抵抗性を惹起し、食後の肝でのブドウ糖の取り込み率を低下させ、食後高血糖のひとつの要因となります。そこで、肥満2型糖尿病モデルマウスを用い肝におけるオイスターの抗酸化作用と食後血糖に対する影響を検討しました。投与28日後の尿中8-OHdG濃度は、プラセボ投与群(n=16)43.66ng/mg crea、オイスター投与群(n=16)30.44ng/mg creaと有意に低下し、オイスターの抗酸化作用が再確認されました。また、オイスター投与量と肝臓中過酸化脂質との間で、相関係数−0.4065で有意な逆相関が認められ、肝臓におけるオイスターの抗酸化作用が確認され、それと共にプラセボ投与群の食後血糖は、479.4mg/dlでオイスター投与群は360.4mg/dlと有意な低下が認められ、オイスターの食後血糖低下作用が認められました。最新の論文には、血糖値の落差が大きいほど血管内皮細胞にマクロファージが付着するという発表もされています。薬による食後高血糖の管理は低血糖の危険性もあるため、食品による管理が望ましいと思います。」と、最新の論文内容もすぐに取り入れ、臨床を行なっている。

 同社ではこれら豊富な臨床データの発表を行なうセミナーを、年間70回以上開催。“新しい健康文化の創造”を目指しているのである。

 最後にドクターへのメッセージとして「食品のアプローチとして、特定の物質ではなく食品全体を見て欲しいです。もっと“栄養”を重視し、栄養学的なアプローチも必要だと感じています。」と述べ、「きちっとしたサプリメント文化を創っていきたいです。」と、今後の意欲を語っていただいた。

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