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ピーナッツ種皮に血小板増加作用、医薬品としての利用を視野に

[ 2007/8/6 ]
 

肝炎やがん治療で年間700万本の血小板成分に朗報

 

献血した血小板の有効期限は72時間

 

 常磐植物化学研究所は、ピーナッツ種皮に含まれる活性成分で血中の血小板を増加させることを医科歯科大との共同研究で明らかにしたという。同社は医薬品での活用を目指し、製薬会社などのパートナーを捜している。

多くの人が一度ならず経験したことのある献血。献血に行くと400ml献血と血小板成分献血を勧められる。400ml献血は、輸血の際の副作用を防ぐ(例えば800mlの輸血が必要な場合、400mlなら2人分だが、200mlでは4人分となりリスクが倍になる)ためだが、血小板成分献血は、採血後の有効期限が72時間と極端に短いため。例えば赤血球では採血後21日間、血漿では凍結すれば採血後1年間が有効期限となる。成分献血で、最も有効期限が短いのが血小板なのである。

また、外科手術や外傷などの治療に用いられる全血や赤血球と違い、血小板成分輸血が適用となる疾患には、白血病やがん、血小板減少症など数が多く、一人の患者が何度も輸血を必要とすることもあり、そのため、常に一定量を確保するのが難しい状態であるという。

造血を目的とする医薬品もあるが、エリスロポエチンや鉄剤など赤血球を増加させるもので、血小板を増加させる医薬品は無い。そのため、血小板は輸血に頼るしかない。その上、有効期限が72時間であり厳しい状態が続いているという。

こうした状況で、患者自身が服用し、輸血のリスクなく、血小板を増加させることができれば、白血病やがんの治療に大きな前進をもたらすといえる。

 

シンポジウム・研究会

 

2007食と健康のシンポジウム

 

 先日、食品産業の健全な発展を目指すことをコンセプトにして、健康機能に関心の深い食品メーカー・医療関係機関の関係者を対象としたシンポジウムが開催された。

 主催は日本能率協会。3日間にわたり開催され、新しい健康食品のあり方、食品情報の伝え方、新商品の開発対策についてのセッションが行なわれた。

 同シンポジウムでは、食に関する健康を保持するための機能や学術的な裏づけを明確にし、その機能や測定・分析方法の標準化、評価システム等の研究促進や改革・普及への貢献を目指す。委員長の東京大学・荒井 綜一教授を筆頭に、東京大学大学院・阿部 啓子教授、名古屋大学大学院・大澤 俊彦教授、お茶の水女子大学・近藤 和雄教授らをはじめ、食品総合研究所・津志田 藤二郎氏、アサヒビール・山下 博氏、味の素・助川 英治氏、大塚製薬・坂本 修一氏、花王・松尾 登氏、カゴメ・村岡 明高氏、カネカ・笹本 耕一氏、キッコーマン・有井 雅幸氏、協和発酵・神谷 俊一氏らが企画委員を務める。

 最近、食やその情報に関する信頼性、安全性について我々の信頼を失墜させるような事例が度々発生している。学術研究者とヘルスケア産業のトップで行なわれたこのシンポジウムは、そういった時流に新たな流れをもたらすことと期待したい。

 

3回グルコサミン研究会

 

 先日、第3回グルコサミン研究会が催された。

 特別講演ではグルコサミンだけでなく、N-アセチルグルコサミンも取り上げられた。消費者に対し、両者を区別しない商品が多いとの事から、両者の相違について講演された。また、微生物キチンからの製法である発酵グルコサミンについてや、ほとんどのグルコサミン製品に含まれるコンドロイチン硫酸についても講演されるなど、グルコサミン単体に留まらず、幅広いテーマとなった。

 一般演題では、関節炎や変形性膝関節症患者に対して、グルコサミンを投与した際の影響などが発表された。さらに最近では、グルコサミンが好中球などに作用して抗炎症作用が、血小板に作用して血流改善作用を示すことがわかってきたのだという。

 

 

セミナー

 

「心療内科に教わる心のクセの変え方セミナー」

 

 B&Sコーポレーション主催で隔月開催されている「グッドエイジングセミナー」。今回の講師は、ひめのともみクリニック院長の姫野 友美MD。

一般の消費者が対象だが、主催のB&Sコーポレーションによると、最近では医療従事者の参加も増えており、通常の医師に加え、そのクリニックのスタッフの参加も多いという。今回行なわれる姫野MDの講演も、コミュニケーション・スキルの向上やカウンセリング技術などに役立ち、医療従事者であっても参考になることだろう。医療サービスの一助としてもぜひ聞いておきたい内容だ。

日時:519日(土)1330分〜16時、場所:新宿明治安田生命ホール。定員342名。料金は千円。

 

Newsフラッシュ

 

花粉症を経験したことのある人は46

 

 日本では1960年代から約40年の間で、花粉症が急激に増加した。地球温暖化や大気汚染、舗装道路の増加や住環境、食生活の変化など、戦後大きく変化した日本人のライフスタイルもアレルギーの誘因といえる。今では国民病とまで言われる、花粉症に関する興味深い調査結果が、先日発表された。

 今年初めにリサーチ会社・マイボイスコムが実施した「花粉症に関する調査」によると、「花粉症を経験したことのある人」は46%、そのうち「軽度」27%、「かなり重い」が10%であったが、花粉症に「かかったことがない」人も43%いた。

 花粉症を最初に自覚した時期では「10年以上前」が最多の36%、「45年前」19%、「610年前」18%。長年花粉症で悩んでいる人が多いと言える。

 

改善の見込みがありながらリハビリ打ち切りが1割

 

 先月、厚生労働省がまとめた「診療報酬改定に関する実態調査」の報告によると、昨年末に改定されたリハビリテーションの治療日数を原則「最大180日」に制限したことについて、医師が「改善の見込みがある」と判断しながら、上限日数の180日に達していたためリハビリを打ち切ったケースが、心筋梗塞や狭心症、関節炎などの患者の1割以上にのぼることが明らかになった。

 診療報酬のあり方を審議する中央社会保険医療協議会では、リハビリ打ち切りを促しかねないこの制度には批判も出ており、見直しを図るという。また、改善の見込みがある患者のリハビリが打ち切られないよう、上限のない疾患の対象を広げたり、リハビリ日数に関する医師の裁量権の拡大なども検討する方針だ。

 

富士フィルム 遺伝子診断へ参入

 

富士フィルムが、1滴の血液で薬の効き目などに関わる遺伝子の個人差を約30分という短時間で測定できる小型装置の試作に成功した。来年前半までに製品化し、大学病院など医療施設へ売り込む他、3年内をメドに診療所などヘ向け廉価版を発売するという。

検査は名刺大の合成樹脂チップに血液を1滴垂らし装置に挿入。特殊な試薬を加えたり加熱したりして遺伝子を短時間で増幅、検出するというもの。患者の体質に応じた「テーラーメード医療」の早期実現へ新たな可能性が広がったといえそうだ。

 

血栓を正確に再現できるモデル開発に成功

 

 テーラーメード医療実現へ向けた動きがもう一つ。

 慶應義塾大学と大塚製薬の共同チームは、患者の血圧や血小板の数、薬のデータを入力すると、血栓が血管の中で分解され流れていく様子を正確に再現できるコンピューターモデルの開発に成功した。

 血管に大きな血栓が出来た場合は速やかに取り除く必要があるが、その際、病気や血栓のできた場所に応じて、作用の異なる薬や適切に使う必要がある。現在の治療現場では医師の経験に基づき薬が選択される場合が多かった。

 同チームはさらに改良を重ねながら、実際の治療に利用する臨床研究も実施する予定だ。

 

年齢に応じ受精卵移植数を制限

 

 先日、不妊治療の専門医らでつくる日本生殖医学会が開いた理事会で、不妊治療の際、体外受精した受精卵を子宮に戻す数について、患者の年齢や治療回数、受精卵の成長段階に応じ1から3個に規定された。

 未熟児や早産などのリスクが高い多胎妊娠を防ぎ、母体と胎児の安全性を守るのがねらいである。

 

骨再生の新技術

 

 産業技術総合研究所と三洋電機の共同研究チームは、病気などで失った骨を再生する新しい医療技術を開発した。骨の元になる幹細胞を培養し患部に移植する際、カルシウムを充分に含んでいるかを簡単に確認するというもの。

現在、変形性関節症や骨腫瘍などの骨の病気では、骨の痛みに対し人工関節や人工骨を埋め込む治療が行なわれている。実用化すれば、治療に使える有効な細胞だけを選んで移植できるようになるという。

 

脊髄再生にES細胞

 

 米バイオベンチャーのジェロンはES細胞(ヒトの胚性幹細胞)を利用した脊髄損傷の再生医療について、今年中に臨床試験を開始する計画だ。

 脊髄損傷は未だ根本的な治療法がない。あらゆる組織・器官に成長する可能性を持つES細胞へは大きな期待が寄せられている。

 日本でも、慶応大学などのグループにより脊髄再生の研究がすすめられている。カビから取り出した物質を脊髄損傷のネズミに注入し、切断された神経の再生に成功したという。

 

新商品

 

眼の抗酸化物質の大本命、日本上陸

光洋商会

 

 関節と並んで体感の良い健康食品として、売れ筋のアイケアサプリメント。そのアイケアサプリメント市場に新素材が上陸する光洋商会は、先日、カルセック社のパプリカ由来のゼアキサンチン「ゼアゴールド」の輸入を開始することを発表した。

 眼球で紫外線から眼を守る抗酸化物質はルテインとゼアキサンチンのみで、ゼアキサンチンが日本上陸したことで、この2素材による更なる市場拡大を目指す。

 

 

メタボリック対策にも「SUPER BOWS DIET

 

 先月末、バリアスラボラトリーズよりダイエット・サプリメント「BOWS」の新シリーズが新発売された。食後に摂ることで脂肪に働きかける「TYPE A」と、食前に摂ることで糖分へ働きかける「TYPE B」の2タイプ。4月中には全国の薬局など店頭に並ぶ予定だ。

 

 

JHMライブラリー

 

「アンチエイジング ビジュアルテキスト」

久保 明 著

 

 高輪メディカルクリニック院長の著者が、アンチエイジングをトータルに展望。医療・栄養のプロから一般の人まで、アンチエイジングに関する絶好の入門書が発行された。

アンチエイジングの定義はもとより、血管・血液・代謝など身体の組織や機能、そしてメンタル面まで、分かりやすくイラスト付きで解説されている。

学習研究社 三千七百八十円(税込)

 

「百歳まで生きるためのホップ・ステップ・ジャンプ 団塊の世代の食と美の健康法」

キッコーマン総合病院院長 久保田 芳郎 著

 

 昨今、「食育」の重要性が叫ばれ、関心が向けられている。本書では子供だけでなく、中高年のための食育をテーマに、「予防医学としての食」の重要性を説く。

 2007年問題が訪れ、日本は人口減少型・超少子高齢社会を迎える中、団塊の世代は人生80年のライフ設計において、63消費という動向から健康・美容のニーズが高まっている。豊かな人生の基盤としての健康つくりのため、著者の熱いメッセージが伝わってくる一書。

興陽館 本体価格千四百円

 

「超代謝ダイエット ニュートリゲノミクスに基づく7つのカギ」

マーク・ハイマン 著

山口 武 訳

 

 私たちは太るようにつくられている、と始まる本書。医師も消費者も、肥満の原因は大食と考えるが、常に食糧不足とともにあった人類のDNAは脂肪を蓄積するように形作られていた。

 こうした科学的事実を踏まえ、栄養遺伝子学に基づいた食欲と代謝の基本的な機能調整について解説。単なるダイエットの本ではなく、自分自身の体の説明書である。日本版「超代謝レシピ」付。メタボリックシンドローム対策の一助にもなるだろう。

中央アート出版社 本体価格二千六百円

 

商品提供

 

水素水のH4O サンプリング継続中

 

 前号(6311頁広告をご参照)でご紹介したH4Oでは、2月に引き続き同社商品「H4O」のサンプリングを行なっている。商品は「H4O -600mv 水素結合水」。230mlのアルミパウチ入りを30本セットで送料・手数料無料。申し込みは電話またはメールにて。☎0120-84-781、メールinfo@h4o.jp、受付は土日祝と同社指定日を除く、月曜から金曜の10時〜20時。www.h4o.co.jpも参照のこと。

 同社は水の研究・開発から製造を手掛ける。水素の持つ活性酸素還元力は、アトピー性皮膚炎をはじめ、生活習慣病の予防にも広く期待されている
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