安心と安全を探して

　昨年の12月に光脱毛で京都のサロンオーナーが有罪判決となり、先日その光脱毛機を販売した会社の社長などが逮捕されました。多くのサロンで行われている光脱毛でなぜ？と思う人がいるかもしれませんが、厚生労働省は以前から、光脱毛やアートメイクなどは、医師以外が行ってはならない『医療行為』に当たることを通知しています。でも、現実的には、お客様とのトラブルが原因で、摘発されるケースがほとんどです。お客様の状態によっては、万が一のトラブルは避けられません。そうしたときのお客様対応をどのように行うのかは、事前に考慮しておくことが大切です。その上で、使用する機器についても、お客様の安全と施術する側の安心を、確保しなければなりません。

　毎年、ビューティーワールド　ジャパンを訪れる方は多いと思いますが、今年のビューティーワールドでは、この安全・安心が隠れたテーマとなっています。新しい施術や機械などを見つけるだけでなく、安全や安心をテーマに会場を回ってみると、また違う発見があるかもしれません。こうした楽しみもビューティーワールドの魅力の一つなのです。

　先ず注目は、初日の5月7日（月）東3ホールのメインステージです。骨格ストレッチの講演や、アンチエイジング医療にエステティックを取り入れている医師の講演、クチコミによる繁盛店の作り方など魅力的なプログラムが続きますが、最終セッションの、『日本エステティック機構によるエステティック認証制度について』まで注目してください。特に“機器認証制度”は、お客様が安心して施術が受けられるよう、使用機器に関して基準を設定して行くことが発表されます。

　これには当然、光脱毛機なども含まれています。メーカーさんだけでなく、サロン関係者こそが、注目しないと、安心して使える機器の普及に繋がらないので、ぜひ聞いてください。

　皆さんはご存知かもしれませんが、光脱毛を行うと損害保険に入ることができません。これがトラブルの時の、お客様対応を妨げる要因のひとつになっているのですが、今年のビューティーワールドの出展者のなかには、損害保険に加入することが可能な光脱毛機も展示されています（セティ社）。性能だけでなく、こうした気配りのある企業の姿勢が安心した施術につながるのでは？

　また、ワークショップの中にも、アートメイクをサロンで安心して行うためのテクニックをDr.トームが講演します。美容師資格を持ちながら、医師となったDr.トーム、白澤　友裕　医師。クリニックではアートメイクだけでなく、まつ毛パーマやエクステンションなども行う、美容の理解者です。その経験から語られる、アートメイクの安全のための技術は必見です。聞き逃した方は、Dr.トームのブースに足を運びましょう。

　他にも岩盤浴関連のブースでは、協会設立の情報があるかもしれません。昨年、週刊誌で衛生上の問題が取り上げられていたので、岩盤浴を設置しているサロンの皆さんも、岩盤浴の協会の設立について注目してみてください。

　お客様は、今以上の美しさを求めて来店されるのです。それなのに、火傷などのトラブルが起きては元も子もありません。そのためには安心して施術できる安全な機器や方法を探さなくてはなりません。今年のビューティーワールドでは、安心と安全を探してみてください。きっと新しい発見があるはずです。そしてその発見は、あなたのサロンをより向上させてくれることでしょう。