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「匂い」「音楽」活用でアンチメタボエイジングを

[ 2007/8/6 ]
 

日本医学会総会協賛プログラムで永井教授が講演

 

 

 43()27回日本医学会総会でのJSCAM協賛(日本生物製剤協賛)プログラム、「臨床アンチエイジングと若返り社会をめざして」が開かれるが、その中で講演されるひとつが、「環境と自律神経制御:アロマ精油、食品や音楽とアンチメタボエージング」(永井 克也・大阪大学名誉教授)である。

講演の要旨を紹介する。

健康維持のためにヒトは様々な生理的指標の恒常性、体内恒常性(ホメオスターシス)、を維持する仕組みを持ち、体内外の環境変化に対して、生存に必須な体温、血圧、血糖、などの体内環境を維持している。

ラットを用いて筆者らは体内外の環境(照度、温度、音楽、匂い、食物など)刺激が自律神経系や内分泌系などの働きを介して体内環境に影響を与える仕組みに体内時計が関与することを示して来た。新島旭新潟大学名誉教授と共同で行ったこの研究で筆者らは、筋肉で合成されるカルノシンが運動時に血中に放出され、交感神経を抑制して血糖や血圧を低下させる因子(運動がなぜ糖尿病や高血圧に良いのかを説明する因子)として機能することを明らかにした。

また、グレープフルーツ精油とラベンダー精油による匂い刺激は自律神経活動に相反的な影響を与えて、前者は脂肪分解、熱産生(エネルギー消費)、血糖や血圧などを上昇させ、食慾を抑制して体重を減少させること、後者は脂肪分解、熱産生(エネルギー消費)、血糖や血圧などを低下させ、食慾を促進して体重を増加させること、などを示す結果を得た。

更に、ある種の乳酸菌の腸内投与や音楽が交感神経を抑制して血糖や血圧を低下させることも認めた。

これらの環境刺激による自律神経と生理的指標の変化が全て体内時計の破壊により消失した。

以上は、1)体内外の環境変化が自律神経系や内分泌系の制御を介して生理的指標に影響を与え生体は体内恒常性を維持すること、2)この効果には体内時計が関与すること、などを示唆する。

老化や肥満によるメタボリックシンドロームは体内恒常性維持機構が劣化することにより発現すると考えられるが、匂い、音楽、食品などの環境刺激をうまく利用することにより、それらに対応することは可能であろう。

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